「注意深く観察していれば、レム睡眠時に他にもさまざまな変化が生じることに気づいただろう。まず、呼吸数(心拍数、血圧も)が増加する。それから、性的な反応(男性ではペニスの勃起、女性なら乳頭や陰核の勃起、膣液の分泌など)も見られる。さらに驚くべきは、筋緊張の変化だ。大人の場合、睡眠中に通常、一晩で約40回、自ら意識することなく、姿勢を変える。だが、そうした動きは、レム睡眠中には一切起きない。レム睡眠中には、体は一切、動かないのだ。筋緊張がまったくなく、体は完全に弛緩した状態になる。レム睡眠は、横になった姿勢でないと不可能だ」

 出典:デイビッド・J・リンデン『つぎはぎだらけの脳と心』、インターシフト、2009年、p.250

 ナルコレプシー(私の抱える睡眠障碍)の特徴として、入眠後すぐにレム睡眠が始まることが挙げられます。1,000回以上(誇張ではない。10代半ばからナルコレプシーを発症しているので、3日に1回は症状が現れてきたと仮定しても、120回×15年=1,800回は起こってきた)の経験によって、眠り際に生じる自分の身体的な変化が、上述の分析の通りであると自覚できました。一点だけ指摘するなら、「レム睡眠は、横になった姿勢でないと不可能だ」とあるけれども、立ったままでもレム睡眠が始まることはあります。ただそのときも、筋緊張がまったくなく、体は完全に弛緩した状態になるために、何かに体を委ねていないと倒れてしまいます。