今年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』は先週終了。第1回から最終回まで(ほぼ全話)観ました。番組は低い視聴率に終わった(平均12.0%、最終回12.4%)ので、世間的な評価は「大失敗」とされましたが、私にとっては見応えのある番組でした。

 良かった理由は次の通り。
 1. 著名ではない人物を主人公としたことによって、幕末〜明治期における市井の人の歴史観(自分たちの社会が劇的に変化することを望んでいないし、近しい人間が変化の舞台に身を投じることも望んでいない。だが変わってしまう社会に翻弄されかつ受け止め、自分たちなりに精一杯生きよう)が無理なく描かれていた。一方で歴史に名を残した人物たちの無名な時期を長く描いたことで、彼らは彼らで何者かになるために悩んでいた事実を示した。
 2. 脚本に工夫が凝らされていたので、1年間の長丁場ながら、番組が中弛みしなかった。作品が4分割され、それに合わせて主人公の位置づけを変えていった(1)吉田松陰の妹→2)久坂玄瑞の妻→3)高杉晋作の友人→4)楫取素彦の妻)。
 
 3. 井上真央さんの凛とした立ち振る舞い。
 
 4. 血みどろやドンパチ物の演出が少なかった。これは個人の好み。