10月は主にBBCの特別報道"Scotland Decides"を見て、スコットランドの独立の是非を問う住民投票の趨勢を追い掛けることに熱中していました。大変興味深かったです。http://bbc.in/VOb0m4

 1) 結果について
 最後は王国を出ることの不安と不便が反対を後押ししたように見えたものの、一方で100万人以上が独立に賛成したことは決して軽視されないでしょう。スコットランド国民党(SNP)の主張が支持層に強く響いたことも見て取れました。スコットランドの人々の声をイギリスにおける民主政治にどのように届けるか。その手法が独立(賛成)か権限委譲(反対)かを問われ、最終的に後者が選ばれました。BBCの特別記事は「スコットランドの投票は終わったが、イギリス全体の統治の在り方を考え直すのはこれから始まる」と書いていて、今回の住民投票がもたらす影響はまたまだありますね。
 
 2) 争点について
 今回の住民投票で議論になった話題を日本に当てはめてみるとどういうことなんだろうと考えてみると、日本で起こり得ないとは言えない話題があることに悩まされました。a) 自治…大阪都構想がなかなか進まない大阪維新の会が日本政府に業を煮やして「大阪国独立だ!」と宣言。b) 大阪国になっても円を使うと主張する大阪に「日本国の通貨である円は使わせない」と日本政府が反論。c)軍事…沖縄が独立したら米軍基地を撤廃。日本政府は安全保障上のリスクが高まると反発。d)民族自決…(日本では民族問題の意識が乏しいけれど)沖縄や北海道で民族意識が勃興したら十分あり得る。

 3) 投票について
 「投票はやってみないと分からないな」と思わされました。大都市(グラズゴー、アバディーン)は賛成で、中小都市は軒並み反対。離れ小島(オークニー諸島)に開票結果が出て、反対67%にまず衝撃。反対が続いたところにアバディーンで賛成が勝ってまた衝撃。ある区では49.92対50.08の僅差で反対勝利に更に衝撃。なんだこの僅差は…と呆然。

 4) イギリスの成熟社会について
 スコットランドの人々が理性的かつ平和的に最後まで相手と議論を戦わせていたことに、民主主義政治体制の長年にわたる経験と人々の民主主義政治に対する信頼を感じました。総有権者の97%が事前に投票に申し込み、結果は85%超という投票率。また対立陣営へのネガティブキャンペーンもほとんど目にしませんでした。独立などというこんな大事、他国では血みどろの争いになってもおかしくないでしょう(実際に起こった国もちらほら思い浮かびます)。

 最後に
 今回の件で私も俄かスコットランドフリークになったので、いつかスコットランドに行ってみたくなりました。