2013/7/15 2回目読了。
 明治・大正期における大衆を描いた本。テーマによっては現代における認識も明治・大正期におけるそれと大差ないとわかる。

 第一章 「脳力」とは何か
 明治・大正期にも日本に「脳」ブームがあった。その時期に書かれた「脳科学」本はどれも「トンデモ本」だった。
 
 第二章 進化論と優生学
 百年前の日本人には、日本民族を「人種改良」して(進化論)、さらに「民種改善」しよう(優生学)という考えが広まっていた。
 
 第三章 なぜ「社交」が必要だったのか
 明治・大正期には、立身出世のために「社交」の必要性と有用性が喧伝されていた。
 
 第四章 社交場としての博覧会
 明治・大正期にしばしば開催された東京勧業博覧会は、「帝都」が「関西」や「日本」よりも上の存在であることを表象する装置だった。
 
 第五章 不純な男女交際
 明治・大正期に起こった男女交際バッシングには、「男の愛は能動で女の愛は受動」という思想が根底にあった。

 第六章 男は神経衰弱、女はヒステリー
 明治中期から大正期にかけて、神経衰弱は男の、ヒステリーは女の病であり続けた(病が男性性、女性性というジェンダーを持った)。

 第七章 性慾を研究する時代がやってきた
 明治四十年代以降、本格的には大正期に入ってから、性慾研究が始まった。
 
 第八章 学生という階級
 明治・大正期の大学生は超エリートで、一つの階級を形成していた。
 
 第九章 青年たちのハローワーク
 明治四十年代以降、学歴が就職に結びつかなくなり、大学生に対する修養(人生論・処世術を説く)が流行した。
 
 第十章 「堕落女学生」は世間が作る
 明治中後期・大正期には、高等女学校の学生に対して「堕落女学生」というバッシングが起こっていた。
 
 第十一章 女は「矛盾」、女は「謎」
 明治・大正期において、女性の心には男性の心とは異なる本質的な特徴があると信じられていた。
 
 第十二章 結婚の前夜に
 明治・大正期の女性にとって、結婚が人生の最大目標だった。
 
 第十三章 「婦人問題」とはどんな「問題」か
 明治・大正期、「男女平等」という思想は男性にとって脅威であり、「婦人問題」として「問題」視されていた。
 
 第十四章 バックラッシュ!「新しい女」
 「男性と同等に」独立し自活しようと主張する女性は「新しい女」と呼ばれ、男性と保守的な女性から激しく攻撃された。
 
 第十五章 危険思想だった「自我」
 明治期、「自我」は自分の権利を主張することと捉えられ、反国家体制的な危険思想とみなされていた。大正期には、国家体制を否定するものではない言葉として、「自我」は「人格」という言葉に置き換わった。

以上