2012/12/9 2回目読了。
 古今東西の宗教を「信者をハッピーにするために作り上げられた方法論」という機能の面から読み解く本。宗教のチェックリストが参考になる。

 1. 思想面では
  1)教義を作ろう
   □神を生み出そう
   □既存の宗教を焼き直そう
   □反社会的な教えを作ろう
   □高度な哲学を備えよう
  2)大衆に迎合しよう
   □教えを簡略化しよう
   □葬式をしよう
   □現世利益を謳おう
   □偶像崇拝しよう
  3)信者を保持しよう
   □怪力乱神を語ろう
   □不安を語ろう
   □救済を与えよう
   □食物規制をしよう
   □断食をしよう
   □暦を作ろう
  4)教義を進化させよう
   □義務を与えよう
   □権威を振りかざそう
   □セックスをしよう
   □科学的体裁を取ろう
   □悟りをひらこう
 2.実践面では
  1)布教しよう
   □弱っている人を探そう
   □金持ちを狙おう
   □親族を勧誘しよう
   □人々の家を回ろう
   □コミュニティを作ろう
   □宗教建築をしよう
  2)困難に打ち克とう
   □他教をこきおろそう
   □他教を認めよう
   □異端を追放しよう
   □迫害に対処しよう
  3)甘い汁を吸おう
   □出版しよう
   □不用品を売りつけよう
   □免罪符を売ろう
   □喜捨を受け付けよう
   あえて寄付をしよう
  4)後世に名を残そう
   □国教化を企てよう
   □奇跡を起こそう
   □神に祈ろう

 宗教は方法論にすぎないので、Aさんがある宗教アを通じて「自分が幸せだ」と思えているならばその宗教アは(Aさんにとって)善い宗教で、宗教イも同様に善い宗教かどうかは世に問われるべきことではないし、宗教アはBさんにとっても同様に善い宗教かどうかも世に問われるべきことでもない。ただ日本では「無宗教」を立場に取る人が大半で(気合いの入ったわけではなくてなんとなく無宗教)、大なり小なり宗教に対する理解が薄く、宗教が個々人の世界像を作るものとして認知されにくいところがあります(結果として宗教が世に問われることはないものの、宗教に対するなんとなくの拒否反応が生じることもあります)。