2012/8/17 2回目読了。
 元スーパーサラリーマンの藤原和博さん(さだまさしさんにそっくり)による、現代日本(つまり成熟社会)における幸福の技術を書いた本。ご自身の自分史にもなっています。フランス人の生活信条「アール・ド・ヴィーヴル」(≒処生術)に共感。宮田も実践していると思います。次は処世術の例。「それは"シンデレラのカボチャを馬車に変えること"につながります」「何よりも生きることを楽しみ、日常の平凡さから抜け出る知恵です。ご婦人に道を譲りながら、その服装や髪型を褒めることや、料理を楽しむために美しいテーブルクロスを選ぶことも入ります」「それは機会を利用して楽しむ術。昨日の繰り返しを続けないことです。ゆとりある時間の中で生まれる楽しみ。"義務感のアンチテーゼ"ではないでしょうか」「電車を1台やり過ごし、次の電車で座っていくことからはじまります。時間をとって行動に余裕を持てば、人は胸いっぱいに人生を呼吸できます」(p.88)
 「アール・ド・ヴィーヴル」に横たわる人間観、すなわち「人は生を享け死を迎えるまで、結局他人と完全にわかり合えることはない」という絶対的に孤独な人間観も、宮田は持ち合わせています。もともとのひねくれにナルコレプシー発症が後を押して、そういう人間観になりました。