001_連翹・家跡地・社@久ノ浜海岸 冒頭の写真は、福島県いわき市の久ノ浜海岸にて撮ったものです。連翹の黄色、痕跡を残す家の土台、津波に恐らく耐えた神社に、青空と白雲が色合いを添えています。
 5/2~4, 東日本大震災で特に激しい被害を受けた3県(岩手県、宮城県、福島県)を見て回りました。
 かつてはそこにあったであろう家やビルが今や何もないという光景は、現代における文化文明のいくつかが突如として遺跡(≒廃墟)となった場所でした。このような場所に立つと、思い付くあらゆるnegativeな考え(否定、拒絶、失望、絶望、無力、困惑、挫折、諦めなど・・)に圧倒され、押し黙ってしまいました。

 現地の写真は旅行記にまとめて報告します。

 取り急ぎ、感想の代弁として、旅中にて読んだ本の序文を紹介します。
  「どれほど大きな戦争や災害でも、時がたつにつれ、当事者以外の記憶はおぼろになり、薄れていきます。かけがえのない家族や友人を失って、いつも、いつまでも記憶を刻みつけている人々と、直接体験しなかった人の記憶には、しだいにギャップがうまれ、被災した人々は孤立感を深めていきます。
  2011年3月11日に起きた東日本大震災は、ある意味で、この国に住むすべての人が同時に体験した災害でした。しかし、そんな大災害であっても、『今』を生きることに懸命な日々がかさなると、つい意識から遠ざかり、『なかったこと』にしてしまうようになりがちです。失われた命、失われた故郷を思う人々と共に生きるには、忘れないこと、いつまでも記憶し続けることが何よりも大切だと思うのです。
  そしてそのことが、次の大災害で、あなたや身近にいる人の命を、ひとりでも多く、救うことにもつながるのだと思います」
(外岡秀俊, 『3・11 複合被災』, p.i., 岩波新書, 2012年)