【エッセイ】英語辞書で学んだこと(4)

 英語辞書『20世紀クロノペディアhttp://amzn.to/1IgdoVX で学んだこと 4回目:英語の新語彙も大半は既存の語彙の組み合わせ。
 以下は辞書の転載。
 
「英語はどのような手法で20世紀にその語彙を拡大していったのだろうか。新しく語を生み出すには基本的に5つの型がある。1) 既存の語を新しい用法にすること、2) 既存の語や語の一部を結合させること、3) 既存の語を短くすること、4) 他の言語から借りてくること、5) 全く新しく造り出すこと。
 英語において群を抜いて一般的に行われている方法は、既存の語を結合するという2番目の方法である。この方法は主に2つの種類に分けられ、そのどちらも英語自体の歴史を持っている。2つないしそれ以上の語が結ばれて、別々に用いられているときの意味とは違ったものを意味するような形のもの(dirty dancing, dreadnought)、もう1つは現存する語に接頭辞や接尾辞を付け加えたもの(unbundled)である。しかし、20世紀の大きな特徴となっているのは混成語(blend)という独特の合成方法である。混成語を造るには、2つの語を単に並べてつなぐだけではだめである。例えばmotorとhotelでmotelになるように、最初の語の語尾が2つ目の語の語彙に溶け合うように重ね合わせるのである。
 (中略)語彙の拡大に最も努力を要しない方法は、既存の語に新しい用法を加えることである。その際、一般にはもとの語の意味に変化が招じることになる。…(中略)…新語全体でこの種を見積もると、10-15%あり、かなりの割合となっている。
 (中略)もし既存の語を短縮したければ、最も簡単な方法は語末を切り落とすことである。
 (中略)極端な方法としては、語頭の文字だけを残すというやり方もある。
 (中略)他言語からの借用は、20世紀以前の英語をとても豊かにしたのであるが、20世紀においては新語の約5%を占めている。
 (中略)何もないところから語彙を創り出すことは、新語の1%にも満たない」

 

ナルコレプシーに関する知識を更新。

 会社でのストレスチェックを契機として、自分の抱える睡眠障碍(ナルコレプシー)に関する知識を更新することができました。国(厚生労働省)の発表した報告とこれまでの断片的な知識とを照合して、知識を補完できてよかったです。
 あと、この頃(というかずっと?)、夜間に頻繁に目が覚める(そのたびに違う内容の夢を鮮明に見る)ことが気になり、この現象はナルコレプシーによるものかを長年世話になっている医者先生に相談したところ、然りであると即答されました。また理解が進んだな。

 以下は報告書の記載。この報告書は睡眠に関する包括的な報告書で、2014年に発行されました。
 夜間に十分な時間眠っているにもかかわらず、日中の眠気がひどい場合には過眠症が疑われる。…ナルコレプシー、…のように睡眠覚醒機構の機能異常により生じる一次性の過眠症…がある。

 出所:『健康づくりのための睡眠指針2014』、p.53

 ナルコレプシーは10歳代に発症する過眠症の典型であり、情動脱力発作を伴うナルコレプシーは、米国や西欧諸国の人口の0.02~0.18%で認められる。日本ではやや高い有病率(0.16~0.18%)が報告されている。体質性の睡眠障害では、特定の白血球の血液型(HLA-DR15)と関連しており、脳内のオレキシンという覚醒維持に関連した物質の低下が病態に関係していることがわかってきた。ナルコレプシーでは、急に睡魔におそわれて眠ってしまう睡眠発作と呼ばれる症状に加えて、…眠りぎわの睡眠麻痺や入眠時幻覚などが一緒に起こる特徴がある。

 出所:前掲書、p.58

【報告】1/24(土)日本財団「WORK FOR 東北」説明会

 1/24(土)、日本財団「WORK FOR 東北」説明会 http://bit.ly/18E8F3S に参加しました。その報告です。

1. 概要
 東日本大震災の被災地が必要とする人材を現地へ送ることを目的としたプロジェクト。2013年10月に事業が開始され、復興庁協働事業として運営されている。

2. 募集人材
 ・岩手、宮城、福島の3県自治体を中心とした「復興に関わる業務」
 ・自治体だけでは対応できない民間キャリアが求められる業務(まちづくり、産業振興、コミュニティ支援など)

3. 募集案件の条件
 ・身分:任期付の公務員(復興庁職員、自治体職員)、準公共の民間団体職員
 ・給与:概ね年250〜400万円
 ・勤務期間:最短1年、通常2〜3年
 ・その他:普通自動車運転免許はほ全ての案件で必須。
 
4. 参加目的
 ・被災地の復興に関する知識を更新する。
 ・一度は被災地で働いてみたいので募集案件を把握する。

5. 説明会に関する感想
 ・被災地はリソース(特に人材)不足。
 ・被災地の抱える課題は日本で潜在的にあるいは顕在化しつつある、最先端のそれ(人口減少を主因とする各種リソースの減少に対処しながらの、表面では経済活動の活性化、裏面では地域共同体活動の再構築)である。案件の難易度は高い。
 ・自治体側のプレゼンテーションがいずれも魅力的。発表者は広報慣れしており、自治体の特色も出ていた。好印象を受けた案件は釜石市2件(地方創生UIターン企画の立ち上げ、地域コーディネーター)、岩泉町1件(地域資源を活用した地域振興)、女川町2件(行政ネットワークシステムや防災システムの再構築)。
 ・参加者の年齢層:20〜30代3割、40〜50代5割、60代2割。合計で100人程度参加。40代前後の参加者が当初予想よりも多めだった。
 ・私は普通自動車運転免許を有していないので、残念ながらほとんどの案件に応募することが難しそうだ。

以上

【エッセイ】英語辞書で学んだこと(3)

 英語辞書『20世紀クロノペディアhttp://amzn.to/1IgdoVX で学んだこと 3回目:過去に生まれた概念は社会的に再生産(再利用)されることがある。
 以下は辞書の転載。
 
「表2:20世紀以前に作られた主な語
 flying machine(1736, 航空機), parachute(1785, パラシュート),
 aircraft(1850, 航空機), Communist(1858, 共産主義者),
 acid rain(1859, 酸性雨), commuter(1865, 通勤者),
 relativity(1876, 相対性原理), photograph(1877, 蓄音機),
 department store(1887, デパート), contract lens(1888, コンタクトレンズ)
 spaceship(1894, 宇宙船), automobile(1895, 自動車),
 feminism(1895, 男女同権主義), modern art(1895, 現代アート)
 motor car(1895, 自動車), car(1896, 自動車),
 photothesis(1898, 光合成), radioactive(1898, 放射性)」

 

【エッセイ】英語辞書で学んだこと(2)

 英語辞書『20世紀クロノペディアhttp://amzn.to/1IgdoVX で学んだこと 2回目:過去に生まれた概念は社会的に再生産(再利用)されることがある。
 以下は辞書の転載。
 
「人間社会の様々な活動や流行は、当然ながら、特定の10年間と完全に一致するものではないが、それでも、そうした活動や流行がそれを示す用語と結びつけられると、その用語が記録されたときに、その活動や流行も絶頂期にあったように思われがちである。例えば、融和政策(appeasement)といえば、本質的に1930年代の現象と考えられがちであり、確かに1930年代はこの語が今日持つ否定的意味合いがまとわり付き始めた時代であった。しかし実のところ、その概念は1920年代に始まったものである。同様に、冷たい戦争(Cold War)の典型的な表現である鉄のカーテン(iron curtain)は1920年代にさかのぼることができる。新しい語が(しばしば専門家だけが知っている専門用語として)埋もれたまま数十年間のんびりと過ごした後、突然注目されるようになることは少しも珍しいことではない。例えば、greenhouse effect(温室効果)は1920年代に造られたが、気候学者でない人たちが耳にするようになるのは、1980年代に入ってからのことである。また、実際には存在していない事物について語ることができるということも、人間の言葉の重要な特徴の1つとして心に留めておくべきである。H.G.Wellsが194年にatomic bomb(原子爆弾)について論じているものを読むと、いまだに戦慄を覚えるのもそのためである」

 
 注:ここで取り上げられている単語のいくつかについて。
 1) 融和政策(appeasement):ヒトラー率いるナチスドイツの軍備増強・領土拡張政策に対する、当時のイギリス首相ジョゼフ・チェンバレンが推進した外交方針(ナチスドイツの主張を受け入れる代わりにナチスドイツの侵攻を抑止させる)を総称したもの。
 2) 鉄のカーテン(iron curtain):1946年にイギリス政治家ウィンストン・チャーチルが講演で東西冷戦の始まりを称して使った言葉として有名。
 3) 温室効果(greenhouse effect):地球の気温を上昇させる効果として二酸化炭素(carbon dioxide)がよく取り上げられる。

【エッセイ】英語辞書で学んだこと(1)

 英語学習の一環で、ここ2年ほど『20世紀クロノペディア』 http://amzn.to/1IgdoVX という英語辞書を書き写して、知っている語彙を増やすことに取り組んでいました。この辞書は20世紀中に新出した語彙を時系列で編纂したもので、その語彙が初めて記録された年を規定するとともに、初出の例文を記載してあります。学んだことを紹介していくことにします。
 1回目は10年区切りで新出英語語彙の一覧(この辞書中で紹介されている区分)を紹介します。この辞書にもあるとおり、「単語は時代を写す鏡」だなと実感しました。

 表1:10年ごとに見る英語語彙の成長
 1900年代 自動車、航空機関係、無線技術、映画、心理学
 1910年代 戦争、航空機関係、映画、心理学
 1920年代 衣装・ダンス・若者文化、輸送関係、ラジオ、映画
 1930年代 戦争・軍拡、輸送関係、映画娯楽
 1940年代 戦争、戦争社会と国際関係、原子力、コンピュータ、宇宙
 1950年代 マスコミ関係、原子力、宇宙、コンピュータ、若者文化
 1960年代 コンピュータ、宇宙、若者文化・音楽、マスコミ関係、麻薬
 1970年代 コンピュータ、マスコミ関係、ビジネス、環境、差別排除
 1980年代 マスコミ、コンピュータ、財政・金融、環境、差別排除、若者文化、音楽
 1990年代 政治、マスコミ、インターネット

2014年本棚卸

 2014年の本棚卸をしました。

 【結果】
  1. 読んだ冊数は164冊で、2013年(235冊)と比べて91冊減りました。
  2. 佐藤優さんの本を熱心に読みました。
  3. 今年読んだ本の中で最も強く印象に残った本はドナルド・キーンさんの『明治天皇』(全4巻)です。

 本棚卸の詳細は記事の続きへ。

 【過去本棚卸の結果】
  1. 2008年本棚卸
  2. 2009年本棚卸
  3. 2010年本棚卸
  4. 2011年本棚卸
  5. 2012年本棚卸
  6. 2013年本棚卸
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【エッセイ】欧州における11月11日は休戦記念日。

 朝の海外ニュースを何となく見ていると、英国BBCでは9月頃から11月上旬までどの人も胸に赤い花のバッジをつけていた。何の意味があるか調べる気持ちはないままに日々ニュースを見ていたところ、11月11日の午前11時、第一次世界大戦の戦死者を追悼するために2分間の黙祷が行われたことを伝えるBBCの報告を見て、「ああ、あの花はそのためのものなのか」ということを理解しました。
 あの赤い花は"poppy"(赤いヒナゲシ)で、欧州では赤いヒナゲシが戦死者追悼の象徴になっています。第一次世界大戦の主な戦場では赤いヒナゲシがよく育ったため、戦争とヒナゲシとの関連が意識されるようになりました。
 
 今年は第一次世界大戦が勃発してからちょうど100年にあたります。日本ではあまり話題になりませんが、欧州では、各国が遭遇した初めての国家総力戦(それまでに行われたあらゆる戦争よりも多くの死者を出した)であり、人々の心に今も深く刻み込まれているようです。
 
 後で知りましたが、日本では11月11日はポッキーの日だったらしいですね。まあ、欧州での11月11日(第一次世界大戦の休戦記念日)とは意味合いがだいぶ違いますね。

BBCの報告:Armistice Day: Final Tower poppy laid as UK honours fallen

【エッセイ】知識人の身の在り方

  (ぼわっとした話です)
  「『知識人』と称される人たちの言説には反権力、反文明、反米国のいずれかがその主張の根底にあるような気がする。大学でもそういう雰囲気ってある?」と後輩に尋ねたら、「そういうのは年齢が上になればなるほどありますよ」と返されたことがある。知識人という人が自分の言説を常に自己批判しながら作り直していく人と定義すれば、反対という立場に身を置き続けることが知識人の在り方として妥当なのかという疑問があります。あくまで現象の分析や検証をするために、(上述の言説の根底を汲むならば)反対(anti)ではなく非(non)の立場にあることがより適切な身の置き方ではなかろうか。

【旅行記】10/4-12 九州旅行

 10/4-12, 九州地方の北部各県(長崎県・佐賀県・熊本県・大分県・福岡県)と本州の山口県を旅行してきました。今回の旅で一番感じたことは「地方の都市やその周辺には十分な魅力がある。だけれどもヒト・モノ・カネ・情報は世界都市である東京とその周辺に集まり続けている。東京とその周辺ではこれらの資源が過剰にありすぎて、有効に使うことができなくなってきている(有効に使わなくても十分な都市機能を果たしてしまう)。ヒト・モノ・カネ・情報の東京への一極集中はいよいよ限界に達しつつあるのではないか」でした。
 
 旅の間に強く印象に残った場面を取り急ぎ紹介します。

 1) 熊本県の阿蘇山とその麓にある平原。雄大な姿に圧倒。
裏千里











 2) 大分県の杵築市に残る城下町。地元の子どもたちが学校から下校中。
杵築














 3) 佐賀県で食べた、佐賀牛の鍋汁を使った雑炊。旨過ぎ。
佐賀牛雑炊











 4) 福岡県と山口県を結ぶ関門橋。海底トンネルを徒歩で通過。
関門橋
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