2016年を深刻に振り返る

2016年を深刻に振り返る

要約:「経験する自己」としては充実した幸福な一年で、「記憶する自己」としては残念で悔しい一年だった。言い換えると、総じて楽しい日々を過ごした一方で、目標(海外の大学院に留学する)を達成できなかった。

詳細:(以降は有閑な方がお読みください)

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2016年本棚卸

2016年の本棚卸をしました。

【結果】
・読んだ冊数は218冊で、2015年(195冊)と比べて23冊増えました。
・今年読んだ本の中で最も強く印象に残った本は『ファスト&スロー』(ダニエル・カーネマン)です。

以下は内訳です。

ふしぎの国のバード 1巻 (ビームコミックス)
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。上 (MF文庫 ダ・ヴィンチ)
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。下 (MF文庫 ダ・ヴィンチ)
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議(1) (メディアファクトリー)
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議(2) (メディアファクトリー)
『よしの冊子』にみる江戸役人の評判 武士の人事評価 (新人物文庫)
日本仏教入門 (角川選書)
満腹論
ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)
ルポ 電王戦―人間 vs. コンピュータの真実 (NHK出版新書 436)
なれる!SE (8) 案件防衛?ハンドブック (電撃文庫)
なれる!SE (9) ラクして儲かる?サービス開発 (電撃文庫)
なれる!SE (10) 闘う?社員旅行 (電撃文庫)
なれる!SE (11) 絶対?管理職宣言 (電撃文庫)
経済学者、未来を語る: 新「わが孫たちの経済的可能性」
若者と労働 「入社」の仕組みから解きほぐす (中公新書ラクレ)
ベーシック・インカム - 国家は貧困問題を解決できるか (中公新書)
日本写真史 下 - 安定成長期から3・11後まで (中公新書)
近現代日本を史料で読む―「大久保利通日記」から「富田メモ」まで (中公新書)
言語学の教室 哲学者と学ぶ認知言語学 (中公新書)
地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)
大阪―大都市は国家を超えるか (中公新書)
聖地巡礼 - 世界遺産からアニメの舞台まで (中公新書)
ドナルド・キーン自伝 (中公文庫)
仕事と家族 - 日本はなぜ働きづらく、産みにくいのか (中公新書)
同志社大学神学部
切腹 日本人の責任の取り方 (光文社新書)
日本史の一級史料 (光文社新書)
結婚と家族のこれから 共働き社会の限界 (光文社新書)
「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? (光文社新書)
はじめての不倫学 「社会問題」として考える (光文社新書)
目の見えない人は世界をどう見ているのか (光文社新書)
人を動かす
制度論の構図 (創文社現代自由学芸叢書)
スレイヤーズ! (富士見ファンタジア文庫)
アトラスの魔道士 ―スレイヤーズ (2) (富士見ファンタジア文庫)
サイラーグの妖魔―スレイヤーズ <3> 富士見ファンタジア文庫
聖王都動乱(バトル・オブ・セイルーン) スレイヤーズ〈4〉(富士見ファンタジア文庫)
白銀(しろがね)の魔獣―スレイヤーズ〈5〉 富士見ファンタジア文庫
ヴェゼンディの闇―スレイヤーズ〈6〉富士見ファンタジア文庫
魔竜王(ガーヴ)の挑戦―スレイヤーズ〈7〉富士見ファンタジア文庫
死霊都市の王―スレイヤーズ (8) (富士見ファンタジア文庫)
ベゼルドの妖剣―スレイヤーズ <9> 富士見ファンタジア文庫
ソラリアの謀略―スレイヤーズ <10> 富士見ファンタジア文庫
クリムゾンの妄執―スレイヤーズ〈11〉 (富士見ファンタジア文庫)
覇軍の策動―スレイヤーズ〈12〉 (富士見ファンタジア文庫)
降魔への道標―スレイヤーズ〈13〉 (富士見ファンタジア文庫)
セレンティアの憎悪―スレイヤーズ〈14〉 (富士見ファンタジア文庫)
デモン・スレイヤーズ!―スレイヤーズ〈15〉 (富士見ファンタジア文庫)
白魔術都市(セイルーン)の王子 スレイヤーズすぺしゃる(1) (富士見ファンタジア文庫)
リトル・プリンセス スレイヤーズすぺしゃる(2) (富士見ファンタジア文庫)
戦え!ぼくらの大神官 スレイヤーズすぺしゃる(5) (富士見ファンタジア文庫)
恐るべき未来 スレイヤーズすぺしゃる(8) (富士見ファンタジア文庫)
イリーズの旅路 スレイヤーズすぺしゃる(9) (富士見ファンタジア文庫)
破壊神はつらいよ―スレイヤーズすぺしゃる〈10〉 (富士見ファンタジア文庫)
激走!乗合馬車!―スレイヤーズすぺしゃる〈11〉 (富士見ファンタジア文庫)
家政婦は見たかもしんない―スレイヤーズすぺしゃる〈12〉 (富士見ファンタジア文庫)
仰げば鬱陶し―スレイヤーズすぺしゃる〈13〉 (富士見ファンタジア文庫)
虫喰仙次 (P+D BOOKS)
日米開戦の真実 (小学館文庫)
あぶない一神教 (小学館新書)
鈴木さんにも分かるネットの未来 (岩波新書)
香港 中国と向き合う自由都市 (岩波新書)
新しい労働社会―雇用システムの再構築へ (岩波新書)
仕事道楽 新版――スタジオジブリの現場 (岩波新書)
多数決を疑う――社会的選択理論とは何か (岩波新書)
獄中記 (岩波現代文庫)
(日本人) (幻冬舎文庫)
イスラム国の野望 (幻冬舎新書)
ルポ 中年童貞 (幻冬舎新書)
コンシェルジュ インペリアル 1 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ インペリアル 2 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ インペリアル 3 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ インペリアル 4 (ゼノンコミックス)
エンジェル・ハート2ndシーズン 12 (ゼノンコミックス)
エンジェル・ハート2ndシーズン 13 (ゼノンコミックス)
エンジェル・ハート2ndシーズン 14 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 1(ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 2 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 3 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 4 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 5 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 6 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 7 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 8 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 9 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ プラチナム 10 (ゼノンコミックス)
コンシェルジュ 3 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 4 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 5 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 6 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 7 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 9 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 10 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 11 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 12 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 13 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 14 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 15 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 16 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 17 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 18 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 19 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 20 (BUNCH COMICS)
コンシェルジュ 21 (BUNCH COMICS)
最後のレストラン 6 (BUNCH COMICS)
最後のレストラン 7 (BUNCH COMICS)
最後のレストラン 8 (BUNCH COMICS)
日本国家の神髄 (扶桑社新書)
通訳日記 ザックジャパン1397日の記録 (Sports Graphic Number PLUS)
Number(ナンバー)臨時増刊 ICHIRO MLB 3000 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィックナンバー))
Number(ナンバー)908・909・910号 甲子園最強打者伝説。 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
Number(ナンバー)911号 広島優勝特別編集「カープの魂」 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
Number(ナンバー)914・915合併号「広島VS.日本ハム 男たちの日本シリーズ。」 (Sports Graphic Number(スポーツ・グラフィック ナンバー))
日本人の歴史観 黒船来航から集団的自衛権まで (文春新書)
働く女子の運命 (文春新書)
イスラーム国の衝撃 (文春新書)
決定版どうしても“日本離れ”できない韓国 (文春新書)
永い言い訳
恐婚 (文春文庫)
離婚 (文春文庫)
東大で教えた社会人学 (文春文庫)
東大で教えたマネー学 (文春文庫)
人生が用意するもの
いま生きる「資本論」
いま生きる階級論
プラハの憂鬱
紳士協定: 私のイギリス物語
自壊する帝国 (新潮文庫)
北方領土交渉秘録―失われた五度の機会
引越貧乏 (新潮文庫)
日本共産党 (新潮新書)
反知性主義: アメリカが生んだ「熱病」の正体 (新潮選書)
日本の雇用と労働法 (日経文庫)
ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ファスト&スロー(下) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出雲大社の謎 (朝日新書)
超したたか勉強術 (朝日新書)
反安保法制・反原発運動で出現――シニア左翼とは何か (朝日新書)
日本人は人を殺しに行くのか 戦場からの集団的自衛権入門 (朝日新書)
二つの母国に生きて (朝日文庫)
人工知能は碁盤の夢を見るか? アルファ碁VS李世ドル
流れを経営する ―持続的イノベーション企業の動態理論
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
二十歳のころ I 1937-1958 (ランダムハウス講談社文庫)
二十歳のころ II 1960-2001 (ランダムハウス講談社文庫)
リベラルのことは嫌いでも、リベラリズムは嫌いにならないでください−−井上達夫の法哲学入門
いま、公明党が考えていること (潮新書)
日本共産党研究――絶対に誤りを認めない政党
3月のライオン 1 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 2 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 4 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 5 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 6 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 7 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 8 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 9 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 10 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 11 (ジェッツコミックス)
3月のライオン 12 (ヤングアニマルコミックス)
昭和史 (ちくま新書)
安保論争 (ちくま新書)
日本近代史 (ちくま新書)
やりなおし高校化学 (ちくま新書)
日米関係の経済史 (ちくま新書)
世界史をつくった海賊 (ちくま新書)
日本の雇用と中高年 (ちくま新書)
男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書)
「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか (ちくま新書)
ほんとうの法華経 (ちくま新書)
ちくま評論入門 (高校生のための現代思想ベーシック)
ちくま評論選 (高校生のための現代思想エッセンス)
増補 日蓮入門 現世を撃つ思想 (ちくま学芸文庫)
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
怖い絵 (角川文庫)
ギャンブル人生論 (角川文庫)
不屈の棋士 (講談社現代新書)
第一次世界大戦と日本 (講談社現代新書)
昭和の戦争 日記で読む戦前日本 (講談社現代新書)
福島第一原発事故 7つの謎 (講談社現代新書)
戦前昭和の社会 1926-1945 (講談社現代新書)
男が働かない、いいじゃないか! (講談社+α新書)
日本人というリスク (講談社プラスアルファ文庫)
〈階級〉の日本近代史 政治的平等と社会的不平等 (講談社選書メチエ)
聲の形(1) (講談社コミックス)
聲の形(2) (講談社コミックス)
聲の形(3) (講談社コミックス)
聲の形(4) (講談社コミックス)
聲の形(5) (講談社コミックス)
聲の形(6) (講談社コミックス)
聲の形(7) (講談社コミックス)
GIANT KILLING(37) (モーニング KC)
GIANT KILLING(38) (モーニング KC)
GIANT KILLING(40) (モーニング KC)
睡眠の科学―なぜ眠るのかなぜ目覚めるのか (ブルーバックス)
イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫)
イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫)
政治の教室 (講談社学術文庫)
百代の過客 日記にみる日本人 (講談社学術文庫)
青春漂流 (講談社文庫)

王様の仕立て屋 11 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)
王様の仕立て屋 12 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)
王様の仕立て屋 13 ~サルトリア・ナポレターナ~ (ヤングジャンプコミックス)
ワセダ三畳青春記 (集英社文庫)
LIAR GAME 19 (ヤングジャンプコミックス)
読書狂の冒険は終わらない! (集英社新書)
R.O.D〈第1巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第2巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第3巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第4巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第5巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第6巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第7巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第8巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第9巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D〈第10巻〉 (集英社スーパーダッシュ文庫)
R.O.D 〈第11巻〉 (スーパーダッシュ文庫)

【2016年アメリカ大統領選挙の感想】


 今回のアメリカ大統領選挙については、「トランプの言ってることが無茶苦茶だし、流石に今回はヒラリーだろ…」と思っていました。なのでアメリカ大統領選挙に共和党のトランプが当選したことには私も不愉快な気持ちになりました。

 私たちの多くがトランプの当選に衝撃と不快感を覚えたのは、アメリカ合衆国の大統領はアメリカ合衆国民を体現する存在であり、同時に全世界の指導者でもあると無意識に私たちは想像していて(その理由は、アメリカ合衆国が一つの国家であると同時に一つの世界システムでもあるからでしょう)、後者の象徴として相応しいとは素直に感じられない人物が民主的に選出されたことに困惑したからなのだろうと考えています。

 今回の選挙では、(1)(州全体の勝ち負けに関係なく)大都市の選挙区はヒラリー勝利、(2)(州全体の勝ち負けに関係なく)農村部および中小都市の選挙区はトランプ勝利、という投票結果を示しました。結局、グローバル市場の恩恵を感じられない(または実際に恩恵を受けていない)人が「世界の発展?知るか。俺たちの生活(=俺たちにとっての世界)を何とかしてくれよ、くそったれ」と、投票行動によって現状に異議を申し立てたとみなすことができるのでしょう。これはBrexit国民投票におけるイングランド地方の投票結果(ロンドンは残留、他全ての地域は離脱)と軌を一にします。

 なお、「アメリカ合衆国民の多様性と複雑性を把握することは本当に可能なのだろうか」という点については、私は疑問を覚えています。というのも、アメリカの外にいる私たちが見聞するアメリカはそもそも国際的で(メディアでも人々でも)、アメリカの中で暮らすアメリカ人はそもそも私たちのフィルターに入ってきません。住む世界があまりにも違うので、彼らと接することはありません。Facebookのフィードも来ませんしね。会うことのない他者に対する無知と偏見を解消することができるとは、私は素直に思えずにいます。

 最後に、トランプの当選後に、あるFacebookの投稿(友人のアメリカ人夫。オハイオ州出身)を読み、「現在、アメリカの農村部および中小都市ではそもそも生活向上のための努力を続けることが難しく、たとえ本人はできる限りの努力をしたとしても、その苦境から抜け出すことは困難である」ことが感じられ、悲しくなりました。また、「アメリカ各地の"Diner"(アメリカにおける地元の食堂)を巡って、アメリカ人の本音を聞く」というドキュメンタリー番組を観て、農村部や中小都市ではトランプ支持者が大半であること、また支持政党に関係なく、アメリカ人の多くが「現在の苦境から決して抜け出せない社会構造に絶望し、反旗を翻そうとしている」ことがよく分かりました。当然、大統領選挙が終わった後の理解ではありますが、こういう人たちがアメリカのいたるところに暮らしているのなら、トランプorサンダースが熱狂的な支持を集めたのも十分理解できました。

【映画『聲の形』 の感想】

(はじめに)
・作品『聲の形』の存在は知っていたものの、原作(漫画)を読んだことはありません。作中のいじめ描写が残酷と聞いており、小学校から高校までの自分過去の不手際を思い出し、辛い気持ちになることが予想されたので。
・現在、聴覚障碍を持つ仕事の同僚が2人おり、うち1人とは朝から夕方まで主に無駄話をしながら仕事をしています。聴覚障碍者との交流体験を得ることになり、またその人から『聲の形』を紹介されたので、観ることにしました。

(全般)
・聴覚障害やいじめもあるけど、未成熟な人同士の意思疎通や交流が主なテーマの作品でした。
・思ったよりマイルドな作りでした。監督(山田尚子さん)と脚本(吉田玲子さん)の個性でしょう。もっとシビアな仕上がりにもできたはずです。
・聴覚障碍者の硝子(ヒロイン)による話し言葉はなかなか聞き取ることができないのに、書き言葉は完全に理解できることに将也(主人公)も驚いていた場面は自然でした。これは私も聴覚障碍者との会話で驚いたことの一つです。
・手話教室の最中に植野(主要キャラクター)が、「私は筆談でいいんですけど」と反発する場面があります。確かに手話より筆談が手っ取り早く意思疎通を図ることができることは同僚との会話で理解したので、彼女の主張も理解できます。ただ彼女の本旨はそもそも免疫のない他者を拒絶するための方便ではありますが。
・植野が硝子に対して「私はあんたのことが嫌い」と言い放つように、他人にはっきり「嫌い」と表明することがめっきり減ったなと振り返りました。嫌いな人ができるよりは好きな人ができるほうが楽しく過ごせるので、今では人を嫌いになるよりは好きになることの方が多いし、嫌いになりそうな人とはそもそも距離を取ります。他人と適切な距離感を取らない、あるいはできないのが「子ども」なのかもしれません。それこそ大学生の頃まで、自分自身も当然そうだったと思います。

(個別)
・硝子の一言目の演技(「はっ」という驚きを込めた息)が素晴らしかったです。
・硝子の自殺未遂後に、ゆづる(硝子の妹)が「私の監督不行き届きで…」という場面で、ゆずるが硝子保護を自己アイデンティティにしてきたことがよくわかります。直前の場面(おばあちゃんとゆづるとの会話)でも伺えます。
・マリアちゃん(将也の姪)、永束(主要キャラクター)、おばあちゃんのおかげで、ただでさえシビアになりかねない作品の雰囲気が和らいでいました。
・美也子(将也の母)と八重子(硝子の母)は、互いの息子と娘の複雑な交流を通じて、最終的には自分たちも友人関係を築いています。自分も大人として、2人が良識的な大人として描かれていることに安堵感を覚えました。
・川合(主要キャラクター)がこの上なく不愉快。主要キャラクターのうち、この人だけが成長していません。自分の加害を自覚せず、自分を常に正義の立場に置いています。自殺未遂後の硝子に対するセリフ(「一人で悩んで死んだらダメ」云々)がキャラクターの性格に合っていて、更に腹が立ちました。ただ不愉快だったのは、昔の自分にも通じる一面があるからでしょう。また彼女をそのように描くことで、子ども社会の関係性を浮き彫りにすることもスタッフの狙いかと思います。

(おわりに)
・感情を強く揺さぶられました。勇気を出して、原作(漫画)も読んでみます。

男性社員の育児休暇取得をどうやって促進させるか

 「男性社員の育児休暇取得をどうやって促進させるか」というテーマのパネルディスカッションを傍聴しました。ライターが内容をまとめていたので紹介します。

  普通の男性会社員が育休を取得してみてわかったこと

 パネルディスカッションの内容も参考になることは多かったですが、パネルディスカッションの前に示された調査結果が私には印象に残りました。「育児休暇の取得を希望する男性社員は、育児休暇の取得を実現させるためにどのような支援を望んでいるか」という質問に対して、最も多かった回答は「育児取得の取得を周囲(特に上司)が促す」でした。給与の全額保証よりも、育児休暇の日数拡大よりも、外部からの圧力を日本の男性社員は必要としていることが興味深かったです。

 実際のところ、男性社員のほぼ全員(特に上司)が育児休暇を取得した経験を持たず、かつ出世レースの結果が入社から約20年間の成果で決まる日本社会の職場において、育児休暇の取得を自分から言い出すことに躊躇する男性社員が少ないのは頷けます。(少なくとも私もそういう職場にいて、こういう状況下で育児休暇を取得を申し出る男性社員が少ないことは理解します。)この状況を変えるには、民間事業者の自助努力だけでは難しく、法整備が必要と感じました。ちなみにパネルディスカッションではこの点についても議論され、男性の育児休暇推進を目的にする超党派国会議員連盟の代表(参議院議員)も「育休を父親に義務的に割り当てるクオーター制、育休中の休業補償を100%にすること、法改正をして有給休暇の取得日数を増やすことなどを視野にいれないといけない」と発言しました。すぐに世の中は変わりませんが、少し期待が持てました。

ナルコレプシーの特徴を自覚する

 
「注意深く観察していれば、レム睡眠時に他にもさまざまな変化が生じることに気づいただろう。まず、呼吸数(心拍数、血圧も)が増加する。それから、性的な反応(男性ではペニスの勃起、女性なら乳頭や陰核の勃起、膣液の分泌など)も見られる。さらに驚くべきは、筋緊張の変化だ。大人の場合、睡眠中に通常、一晩で約40回、自ら意識することなく、姿勢を変える。だが、そうした動きは、レム睡眠中には一切起きない。レム睡眠中には、体は一切、動かないのだ。筋緊張がまったくなく、体は完全に弛緩した状態になる。レム睡眠は、横になった姿勢でないと不可能だ」

 出典:デイビッド・J・リンデン『つぎはぎだらけの脳と心』、インターシフト、2009年、p.250

 ナルコレプシー(私の抱える睡眠障碍)の特徴として、入眠後すぐにレム睡眠が始まることが挙げられます。1,000回以上(誇張ではない。10代半ばからナルコレプシーを発症しているので、3日に1回は症状が現れてきたと仮定しても、120回×15年=1,800回は起こってきた)の経験によって、眠り際に生じる自分の身体的な変化が、上述の分析の通りであると自覚できました。一点だけ指摘するなら、「レム睡眠は、横になった姿勢でないと不可能だ」とあるけれども、立ったままでもレム睡眠が始まることはあります。ただそのときも、筋緊張がまったくなく、体は完全に弛緩した状態になるために、何かに体を委ねていないと倒れてしまいます。

今年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』は良作だった

 今年のNHK大河ドラマ『花燃ゆ』は先週終了。第1回から最終回まで(ほぼ全話)観ました。番組は低い視聴率に終わった(平均12.0%、最終回12.4%)ので、世間的な評価は「大失敗」とされましたが、私にとっては見応えのある番組でした。

 良かった理由は次の通り。
 1. 著名ではない人物を主人公としたことによって、幕末〜明治期における市井の人の歴史観(自分たちの社会が劇的に変化することを望んでいないし、近しい人間が変化の舞台に身を投じることも望んでいない。だが変わってしまう社会に翻弄されかつ受け止め、自分たちなりに精一杯生きよう)が無理なく描かれていた。一方で歴史に名を残した人物たちの無名な時期を長く描いたことで、彼らは彼らで何者かになるために悩んでいた事実を示した。
 2. 脚本に工夫が凝らされていたので、1年間の長丁場ながら、番組が中弛みしなかった。作品が4分割され、それに合わせて主人公の位置づけを変えていった(1)吉田松陰の妹→2)久坂玄瑞の妻→3)高杉晋作の友人→4)楫取素彦の妻)。
 
 3. 井上真央さんの凛とした立ち振る舞い。
 
 4. 血みどろやドンパチ物の演出が少なかった。これは個人の好み。

2015年を振り返る(一部)

2015年を振り返る(一部)
 定性的に達成の可否を確認できる2015年の目標は3つで、全て達成しました。
 1) 趣味:山登りを10年ぶりに再開する。
  →達成。5月と9月に1回ずつ。軽めの山ながら。
 2) 貯蓄:90万円貯める。
  →達成。100万円貯めた。
 3) 旅行:香港・上海・韓国に旅行する。
  →達成。3カ国とも旅行した。
 2015年は2014年の延長という感じでした。2016年も自分なりにやっていきます。

2015年本棚卸

 2015年の本棚卸をしました。

 【結果】
  1. 読んだ冊数は195冊で、2014年(164冊)と比べて28冊増えました。
  2. 去年読んだ本を読み返すことが多かったです。
  3. 今年読んだ本の中で最も強く印象に残った本は佐藤優さんの『いま生きる資本論』です。

 本棚卸の詳細は記事の続きへ。

 【過年における本棚卸の結果】
  1. 2008年本棚卸
  2. 2009年本棚卸
  3. 2010年本棚卸
  4. 2011年本棚卸
  5. 2012年本棚卸
  6. 2013年本棚卸
  7. 2014年本棚卸
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【エッセイ】昨日の山登りで「これはまずいんじゃないか」と思ったこと

 2点あります。

 1) 乳幼児を連れて山登りをしている夫婦がちらほらいた。
 2) 持ち物や恰好からして明らかに準備不足な人がちらほらいた。

 まず1)について。とにかく、「乳幼児の安全が危ない」と思いました。乳幼児を前に背負うにしても後ろに背負うにしても、登山/下山の上下動は大きく、乳幼児がずり落ちてしまうのではないかと不安になりました。また、乳幼児のバランスを取るために親は両手をうまく使えません。親が体勢を崩した時に手を使うと、当然その時は乳幼児に意識が向きませんから、周りの石や木に乳幼児がぶつかってしまう可能性が高まります。まさか乳幼児が「今日は山登りに行きたい」と親に伝えたわけではないでしょうから、親がしたくて山登りに来るという判断が不安になります。

 次に2)について。「怪我や体調を崩したことを考えていない」のが怖くなりました。手ぶら、薄手の服装、華奢な靴、リュックサックなしで歩く人たちにしばしば出くわしました。山登り用の格好を一通り揃えている人の隣にそういう格好の人たちがいるのは不可思議でした。道中、自分たちが迷子になっているのが分からないままに山道を下っている人たちと出くわし、「地図も持っていない」と言われて唖然としました。流石に不安になったので、持っていた地図を渡しました。

 山登りが人気になって、老若男女が山に気軽に訪れることはとても良いことです。ただ、自分がかつて山登りをしていた経験からして、「山登りを楽に考えてると痛い目に遭う」と思ってしまいますので、上述の2点はまずいんじゃないかと思ってしまいました。
本ブログについて
Shozo MIYATAが執筆しています。本ブログの内容は所属組織と無関係な、個人的な見解です。
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